2020年11月5日。
朝起きるととてつもない喉の痛みだったが、熱は37度と微熱程度。
私は職業柄とても声が重要なので、少しでも喉に違和感を感じたら即病院へ行っていた。
当時は新型コロナのことを一部では“武漢肺炎”と呼ぶ人もいた。
だからか肺のCTを撮って異常が見られなければコロナではないだろうと医者も判断した。
なのでカロナールなどの鎮痛剤をもらってひたすら休んでいるしかなかった。
だがいつまでたっても焼けるような喉の痛みは引かず、微熱も相変わらずで、さらに関節痛や息切れなどの症状も出てきた。
え?コロナ?と一瞬思ったが、どこでもらったか全く心当たりがなかった。
仕事の接客もマスクとアクリルボード越しだったし、人がいる場所では絶対マスクを外さなかったし、手荒い・うがいも徹底していた。
病院に行ってから二週間経ったのに全く症状が治まらないので、いよいよこれは普通の風邪ではないのでは?と思い始めた。
ただの風邪であれば薬を飲んでじっとしていれば一週間もあれば症状はだんだんと軽くなっていく。
インフルエンザだってそうだ。
なのに全く症状が治まるどころか、どんどん酷くなって行っている気がした。
当時はまだ嗅覚や味覚異常はそれほど言われておらず、全く味や臭いがしなくても体調の悪さのせいかな?くらいに思っていた。
二週間経って、同居していた元婚約者が私と全く同じ症状になった。
彼は仕事の関係でPCR検査を受けて陽性だった。
え?それなら私もやっぱりコロナなんじゃ?と思ったのだが、保健所からPCR検査を受けるように言われたのはそこからさらに二週間後。
同居人が陽性になって、すぐに検査をしても二週間ほどの潜伏期間があるため
早いと正しい結果が出ないからと言われたが、私はとっくに症状は出ている。
健康な状態の人ならその理論で良いのだろうが、私の場合だと当てはまらないのでは?と聞くと、規則なのでと言われた。
元婚約者が陽性になって毎日保健所の人から体調確認の連絡が来た。
相変わらず体調が悪い日々が続き、喉も焼けるように痛いので毎日の体調確認の電話は少し苦痛だった。
二週間経って、PCR検査を受けると私は“陰性”だった。
陰性だったし、もう自宅療養期間は過ぎているのでどこの病院へ行っても大丈夫なんで!と保健所にはあっけなく切り捨てられ、最寄りの病院へ向かうがもちろん超嫌がられるw
そしてこの“陰性”のせいで私は苦労をする事になる。
陰性だったため、私のこの継続している症状は“気のせい”or“メンタル的なもの”と結果的に診断された。
だが赤く腫れた喉はなんなのか?
声帯炎も起こしている。
たぶんアレルギー?とかアバウトな事を言われて、アレルギー薬を二週間分渡されて帰された。もちろん微熱も継続中だったがこれはコロナに感染したかも?とビビって出てる熱らしい…。
もちろんアレルギー薬を飲んでも喉の痛みは全く引かない。
一応二週間飲んでみたが、まだコロナにビビってるらしく相変わらず熱も下がらず、さらに関節痛まで出てきた。
毎日ろくに水分も食事もとれず、どんどん体が弱って行く。
始めは私も頑張って気のせいだと思い、仕事にも通い、なるべく外へ出て歩くなどしていた。
症状が出てから1ヶ月半経ち、うちから駅まで3分で行けるのに休憩しながらじゃないと歩けなくなってしまった。
体に力が入らなくフラフラで、掴まり立ちじゃないと立っていられなくなった。
私はメンタルの病気も患った事があるのでよくわかるのだが、この症状は確実にメンタルではない!と思った。
何故そう言いきれるのかと言うと、メンタル的な病はいつも何かに追われているような切迫したような感覚だったり、自責の念が強く、とにかく休みたい・逃げ出したいという崖っぷちのような精神状態になる。
確かにいつ治るんだという苛立ちはあるものの、出きる事をコツコツやれているし、仕事だって行きたくて堪らなかった。
好きなアニメだって楽しみに出来ているし、そもそも自分を責めてなんかいない。
この症状が消えたら何から始めようかと人生に楽しみがいっぱいだったし、絶望なんて全くしていなかった。
コロナだってかかっちゃったもんは仕方ないかーくらいのテンションだったので、ビビってるって言われても正直ピンと来ない。
何をどういう理由でメンタルと医者は言うのか本当に意味不明だった。
百歩譲ってメンタルと診断される事で、この“一生インフルエンザ”みたいな症状が軽減されるならそれでも構わない。
でも医者はメンタルですねと言うだけで、薬は何もくれずに追い出すだけ。
それって意味ある?
私には夢もあるし、こんな何ヵ月も休んでいられるか!と思い、いろいろ病院を調べたがどこで診てもらえば良いのか全くわからない。
彼も坐骨神経痛などいろんな症状が後からどんどん出てきて、私ほどではなかったが明らかに体力が落ちていった。
お互い働く事が出来ず、どんどんどんどんお金が減っていった。
そしてようやく出会えたのが、コロナ後遺症外来で有名なHクリニック。
当時はコロナ後遺症に半信半疑で、ほとんどの後遺症患者はここのクリニックに頼るしかなかったと思う。
※続く